ある日、夫あてにシンプルな茶封筒の郵便物が届きました。
夫に郵便物が届くのはごく当たり前のことで、封書であれば本人に開封してもらいます。
いつものように目につくところに置いておきました。
帰宅すれば開封するでしょう。
しかし、その封書は翌日も翌々日も開封されることなくテーブルの上に置かれたままでした。
表には「納品書在中」と書かれています。
私はそれから更に2~3日経った頃、その封書を開けてみました。
それを見た時、なにこれ?と思いました。
落ち着いてよーく見てみました。
そして次の瞬間心臓が締め付けられるような思いになり、血の気が引いてゆくのがわかりました。
その納品書とは、私もよく知っている女性物ブランドのハンドバッグの購入内容でした。
私もよく知っているというより、私のお気に入りブランドでした。
そして購入を検討した事もある品でした。
それを夫に話したことがあったのかなかったのか記憶にありませんでしたが、とにかく夫はそれを購入したのです。
しかし我が家にバッグは届いていません。
じゃあバッグはどこへいったの?
少なくとも私へのプレゼントでないことは確かです。
だって貰ってないから。
しかし、冷静になってよく考えようと思いました。
もしかしたら誰かに頼まれて代理で購入したのかも知れないし、万が一だけど私にくれるかも知れない。
もう少し様子を見てみようと、その納品書の事は夫には言わず隠しておくことにしました。
このたった1枚の納品書が、私達夫婦に嵐を巻き起こす事になるとは、まだ知る由もありませんでした。