一旦は夫の不倫相手への慰謝料請求をする気になりました。
その理由は私がいつまでも夫の不倫の事を精神的に引きずっていたからです。
しかし原因である不倫はとうに解消していました。
夫は深く反省し今後のこともしっかり考えて、夫自身の中ではすべて終わったことになっています。
ではなぜ私がそれほど執着してしまうのかというと、その相手は夫と同じ会社で未だに平気な顔をして働いているからです。
(平気な顔をして働いているというのは私の勝手な憶測です。)
全て終わらせた夫と、いつまでも心に引っかかるものがある私とでは、かなりの温度差があります。
一日の中でもたった数時間のうちに、楽しい気持ちからどん底に落ちる事も多々あります。
この不安定な気持ちはおそらく、不倫相手に対して私から感情をぶつけておらず、事実上泣き寝入りの状態だからです。
カウンセラーに相談したところ、妻の最大の権利を使わない手はないと言われました。
私の心を晴らすには慰謝料請求をして、相手に現実をわからせて、痛い目に遭わせない事にはお互いの今後の為にもならないというアドバイスをいただきました。
そこで、不倫問題などに非常に詳しい法律の専門家の所へ相談に行くことになりました。
全ての経緯を洗いざらい聞いてもらった結果、その専門家は意外な答えを出しました。
今慰謝料請求をするのは得策ではない、と。
それは、相手の人間性と立場に問題がありました。
まず人間性は『妄想型虚言癖があって、執着心がおそろしくあるので、下手に刺激をすると刑事事件(殺人等)に発展しかねない。今現在も諦めきれずにいるタイプ。』
そして立場は『夫の会社の従業員であるという事。夫は管理職で課は違えど元不倫相手の女は部下という存在であるがために、セクハラ等で訴えられたら逆に不利になるという不安要素もある。』
この点については長年の実績に基づいて得たプロファイリングによるものです。
蒸返すことによって、再び女が夫に近付いてくることは間違いないそうです。
そしてことが大きくなってしまう可能性があるということです。
しかしながら、夫とこの慰謝料請求について、しっかり話し合った結果、万が一自分が会社での立場を失い退職を余儀なくされてもそれは一向に構わないとの事でした。
しかし、その事によって、「今の生活を維持できずおまえ(私)に迷惑をかける事が一番不本意だ。」と言ってくれました。
そもそも私は不倫発覚当初から、相手と接触することを生理的に嫌がってしまい避けていました。
逃げてばかりではいけないのだろうかとも思い、勇気を出して相談に行きましたが、専門家がやめた方がいいかもと言ってくれたことで正直ホッとしました。
慰謝料請求をするなら、不倫全盛期の時にするべきでした。
でも機会を逃してしまった今、逆に夫と上手くいっているので、これ以上波風立てない方がいいんじゃないか、と思っているのが本当のところだったのです。
問題は私だけがこだわっている事。
不倫されたことは悔しい。
でも今夫は私だけを見ていてくれています。
ちょっとスピリチュアルな言い方になりますが、この件でどうしたらいいのか迷っていた時に「今を見よ。」という声が聞こえました。
私がなりたいのは、夫と仲良く老後を過ごすという事です。
これは最初からの目標です。
まず不倫が発覚して、夫婦関係を見直して修正し、不倫は清算し、お互いを思いやり、未来の計画を立て、2人で前を向いて行こうという気持ちになっているのが現状です。
この年になってこれができたという事は奇跡に近いです。
逆に不倫がなかったら、100%こうはならなかったと思います。
神様から与えてもらったギフトだと思って、今を、そしてこれからだけを見つめて歩んでいけばいいんじゃないかと思いました。
そこにはもう不倫相手の存在など欠片も無く、誰も入る隙間のない盤石な夫婦関係を築くことが最優先なんだと、思いました。
実際、専門家の方も「今はご夫婦の関係をより良くすることが大切です。」と仰って下さいました。
慰謝料請求の案件がスタートすればお金儲けになるのに、あえて一旦停止を掛けてくださったことに感謝しています。
これをゴリ押しする理由もなく、私の中では事を起こすのはやはりやめておこうという気持ちになっています。
ただし、万が一また二人が接触するような事があったら、否応なしに総攻撃をかけるつもりです。
そんなところで私の高ぶった気持ちも治まってきました。
不倫解決は本当に100人100様です。
この方法がベストっていうのはないんですよね。
他人が勧めたり成功したやり方でも、ケースによっては悪い結果となる場合もあります。
何事も慎重に落ち着いて考えて、冷静に判断してもらえる味方を付けることが大事だと思いました。